ファクタリング契約の流れと注意点|確認すべき7つのポイント
ファクタリングは最短即日で売掛金を現金化できる便利な資金調達手段ですが、契約内容をよく確認せずに署名すると、想定外のコストやトラブルに巻き込まれる可能性があります。
この記事のポイント
- ファクタリング契約は「申込→審査→契約→入金→回収」の5ステップ
- 契約書では償還請求権の有無、手数料の内訳、債権譲渡登記の3点が最重要
- 「償還請求権あり」の契約は実質的に貸付であり、違法な場合がある
- 契約書がない、手数料30%以上などは悪質業者のサイン
金融庁もファクタリングを装った違法な貸付について注意喚起を行っています。本記事では、ファクタリング契約の流れと、契約時に確認すべき7つのポイントを解説します。
ファクタリング契約の流れは?

ファクタリングの契約は、以下の 5つのステップ で進みます。オンライン完結型の会社であれば、申し込みから入金まで最短数時間で完了します。
ステップ1:申し込み・相談
ファクタリング会社のWebサイトや電話から申し込みます。この時点で以下の情報を伝えます。
- 売掛金の金額と支払期日
- 売掛先の会社名
- 希望する入金日
多くの会社では、申し込み段階で概算の手数料率を提示してくれます。正式な手数料は審査後に確定します。
ステップ2:必要書類の提出
審査に必要な書類を提出します。一般的に必要な書類は以下のとおりです。
- 請求書(売掛金の存在を証明するもの)
- 本人確認書類(運転免許証・パスポート等)
- 通帳コピーまたは入出金明細(直近3ヶ月分)
- 商業登記簿謄本(法人の場合)
オンライン完結型の会社( QuQuMo 、 ラボル 等)では、請求書と本人確認書類の2点だけで申し込めるケースもあります。
ステップ3:審査
ファクタリング会社が売掛金の信頼性と売掛先の信用力を審査します。審査で重視されるのは 利用者ではなく売掛先の信用力 です。
審査のポイント:
- 売掛先の経営状況(倒産リスク)
- 請求書の真正性(実在する取引か)
- 売掛金の支払期日(近いほど低リスク)
- 過去の取引実績
審査時間は会社によって異なりますが、オンライン完結型なら最短30分〜2時間程度です。
ステップ4:契約締結
審査通過後、正式な契約を締結します。ここが最も重要なステップです。 契約書の内容を十分に確認してから署名してください。確認すべきポイントは次のセクションで詳しく解説します。
オンライン完結型の会社では、クラウドサイン等の電子契約サービスを利用するケースが増えています。対面での契約が不要なため、スピーディーに手続きが進みます。
ステップ5:入金・売掛金の回収
契約締結後、手数料を差し引いた金額が指定口座に振り込まれます。
その後の流れは契約形態によって異なります。
- 2社間ファクタリング:売掛先から利用者に入金された後、利用者がファクタリング会社に送金
- 3社間ファクタリング:売掛先がファクタリング会社に直接支払い
契約書で確認すべき7つのポイントは?
ファクタリングの契約書には、必ず確認すべき重要な項目があります。以下の7つのポイントを一つずつチェックしてください。
1. 償還請求権の有無(最重要)
償還請求権(リコース) とは、売掛先が倒産などで支払不能になった場合に、利用者がファクタリング会社に売掛金を返済する義務のことです。
| 契約タイプ | 売掛先が倒産した場合 | 備考 |
|---|---|---|
| ノンリコース(償還請求権なし) | 利用者に返済義務なし | 正規のファクタリング |
| リコース(償還請求権あり) | 利用者が返済する義務あり | 実質的に貸付の可能性 |
正規のファクタリングは ノンリコース(償還請求権なし) が原則です。「償還請求権あり」の契約は、形式はファクタリングでも実質的には貸付に該当する可能性があり、貸金業登録のない業者が行えば 違法 です。
契約書に「償還請求権あり」「買戻し義務あり」などの記載がある場合は、契約を見送ることを強くおすすめします。
2. 手数料の内訳と総額
ファクタリングの手数料は、会社によって表示方法が異なります。「手数料5%」と言われても、それ以外に費用がかかるケースがあります。
確認すべき費用項目:
- 買取手数料(メインの手数料率)
- 事務手数料(別途請求されることがある)
- 債権譲渡登記費用(登録免許税7,500〜15,000円+司法書士報酬約5万円、2社間で発生する場合あり)
- 印紙代(紙の契約書の場合)
- 出張費・交通費(対面契約の場合)
- 振込手数料
契約前に 「総額でいくらかかるのか」 を必ず確認してください。手数料率が低くても、事務手数料や登記費用を加えると実質コストが高くなるケースがあります。
なお、ファクタリング手数料自体には消費税はかかりません。詳しくは「ファクタリング手数料の消費税・仕訳」で解説しています。
3. 債権譲渡登記の有無
債権譲渡登記 とは、売掛金の譲渡(売却)を法務局に登記する手続きです。2社間ファクタリングでは、ファクタリング会社がリスク軽減のために登記を求めるケースがあります。
登記のメリット・デメリット:
- メリット:二重譲渡の防止、ファクタリング会社のリスク低減により手数料が下がる場合がある
- デメリット:登記費用(数万円)が発生、登記情報は法人であれば誰でも閲覧可能
オンライン完結型の会社( QuQuMo 等)では債権譲渡登記が不要な場合が多いです。登記の有無は契約前に確認しましょう。
4. 契約形態(2社間 or 3社間)
契約形態によって、手数料・スピード・売掛先への通知の有無が大きく変わります。
| 項目 | 2社間 | 3社間 |
|---|---|---|
| 売掛先への通知 | なし | あり |
| 手数料相場 | 8〜18% | 2〜9% |
| 入金スピード | 最短即日 | 数日〜1週間 |
売掛先に知られたくない場合は2社間、手数料を抑えたい場合は3社間が適しています。詳しくは「2社間ファクタリングの仕組み」をご覧ください。
なお、2社間ファクタリングでは「債権譲渡契約書」に加えて 「業務委託契約書」 が交わされるのが一般的です。これは売掛金の回収業務を利用者に委託する契約で、売掛先から入金された資金を速やかにファクタリング会社へ送金する義務が発生します。
5. 売掛金の回収方法と期限
2社間ファクタリングでは、上記の業務委託契約に基づき、売掛先からの代金回収は利用者が行います。回収した金額をファクタリング会社に送金する 期限 を契約書で確認してください。
確認すべき項目:
- 送金期限(売掛先からの入金後何日以内か)
- 遅延した場合の遅延損害金の有無と利率
- 売掛先の支払いが遅れた場合の取り扱い
売掛先から入金された資金を送金せず使い込んだ場合、横領罪に問われる可能性があります。回収金は自社の資金と明確に区別し、速やかに送金してください。
6. 秘密保持条項
2社間ファクタリングの最大のメリットは「売掛先に知られない」ことです。契約書に 秘密保持条項 が含まれているか確認しましょう。
具体的には、ファクタリング会社が売掛先に対して債権譲渡の事実を通知しないことを明記した条項です。この条項がなければ、ファクタリング会社が任意のタイミングで売掛先に通知する可能性があります。
7. 契約解除・キャンセルの条件
契約後にキャンセルできるかどうかも重要なポイントです。
確認すべき項目:
- 契約締結後のキャンセルが可能か
- キャンセル料や違約金の有無
- クーリングオフの適用有無(ファクタリングは原則として適用外)
悪質なファクタリング業者を見抜くチェックリスト
ファクタリング業界は貸金業のような登録制度がないため、悪質な業者が紛れ込む余地があります。以下のチェックリストで見極めてください。
1つでも該当したら契約を見送るべきサイン:
- 手数料が 30%以上 と異常に高い
- 契約書がない、または口頭のみの契約
- 償還請求権あり の契約(実質的に貸付)
- 担保や保証人 を要求される
- 手数料ではなく 「利息」 という表現を使っている
- 会社の 所在地が不明 または個人の携帯番号しかない
- 「誰でも即日OK」 など、審査なしを強調している
正規のファクタリング会社は、売掛先の信用調査を行ったうえで手数料を決定します。「審査なし」「誰でもOK」という宣伝は、まともなビジネスモデルでは成立しません。
ファクタリング契約の法的根拠は?
ファクタリング契約は、民法第466条に基づく 債権譲渡契約 です。2020年4月施行の改正民法により、以下の点が明確になりました。
- 譲渡制限特約があっても債権譲渡は有効(改正民法第466条第2項)
- 将来債権の譲渡も可能(改正民法第466条の6)
つまり、取引先との契約に「債権譲渡禁止」の条項があっても、ファクタリングは法的に有効です。この改正により、ファクタリングの利用環境が大きく改善されました。
ただし、金融庁が注意喚起しているように、「ファクタリング」を名乗りながら実質的に貸付を行う業者は違法です。正規のファクタリング(債権譲渡)と違法な貸付の違いは、償還請求権の有無 が最大の判断基準です。
おすすめのファクタリング会社
契約の透明性が高く、オンラインで安全に手続きできる会社を紹介します。各社の情報は公式サイトにもとづいています。
| 会社名 | 手数料 | 契約方式 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| QuQuMo | 1%〜 | クラウドサイン(電子契約) | 債権譲渡登記不要、手数料最安水準 |
| CoolPay | 2%〜 | オンライン完結 | 最短60分入金 |
| トラストゲートウェイ | 1.5%〜9.5% | オンライン完結 | 手数料上限明示、2社間・3社間対応 |
| ペイトナー | 一律10% | スマホ完結 | 手数料が事前に確定、1万円から |
| ラボル | 一律10% | オンライン完結 | 24時間365日対応 |
手数料の安さで選ぶなら「ファクタリング手数料が安い会社」、審査に不安がある方は「審査が甘いファクタリング会社」もご覧ください。
よくある質問(FAQ)
ファクタリングの契約にクーリングオフは適用されますか?
ファクタリングは クーリングオフの適用対象外 です。クーリングオフは特定商取引法に基づく制度で、訪問販売や電話勧誘販売などが対象です。ファクタリングはこれらに該当しないため、契約後のキャンセルは会社ごとの規定に従います。契約前に内容を十分確認することが重要です。
契約書がないファクタリング会社は危険ですか?
はい、 非常に危険 です。正規のファクタリング会社は必ず書面またはクラウドサイン等の電子契約で契約を締結します。契約書がない場合は、後から条件を変更されたり、実質的に貸付だったりする可能性があります。契約書の交付がない会社は利用しないでください。
2社間ファクタリングの契約で売掛先にバレることはありますか?
秘密保持条項が含まれている契約であれば、原則として 売掛先に通知されません 。ただし、債権譲渡登記を行った場合、登記情報は法人であれば閲覧可能です。登記の有無は契約前に確認しましょう。QuQuMoは債権譲渡登記が不要なため、売掛先に知られるリスクが低いです。
ファクタリング契約に必要な書類は何ですか?
一般的には 請求書・本人確認書類・通帳コピー の3点です。法人の場合は商業登記簿謄本が必要な場合もあります。オンライン完結型のQuQuMoやラボルでは、請求書と本人確認書類の2点で申し込めます。
「償還請求権あり」の契約は全て違法ですか?
「償還請求権あり」の契約が即座に違法というわけではありませんが、 貸金業登録のない業者 が行う場合は違法の可能性が高いです。償還請求権ありの契約は実質的に「貸付」に該当し、貸金業法の規制対象になります。安全のため、ノンリコース(償還請求権なし)の会社を選ぶことをおすすめします。
まとめ
ファクタリングの契約で最も重要なのは、 署名前に契約書の内容を十分に確認する ことです。
特に確認すべき3つの最重要ポイント:
- 償還請求権なし(ノンリコース)であること — ありの場合は契約を見送る
- 手数料の総額 — 買取手数料以外の隠れコストがないか
- 債権譲渡登記の有無 — 不要な会社を選べばコスト削減に
契約の透明性が高い会社を選べば、安全にファクタリングを利用できます。手数料1%〜の QuQuMo はクラウドサイン電子契約で債権譲渡登記も不要。手数料上限が明示されている トラストゲートウェイ (1.5%〜9.5%)も安心です。
即日で資金調達できる方法や、返済不要の資金調達方法もあわせてご覧ください。